14.3m型FRP製旅客船「マリンストーク」
新造船のご紹介
川西マリンサービス様ご発注によります、14.3m型FRP製旅客船「マリンストーク」が、令和元年8月に完成いたしました。
伊豆松崎港での引渡しの後、岡山県玉野市宇野港までの回航も無事に終え、9月から瀬戸内海の島々を結ぶ「海上タクシー」として就航します。
主要要目
全長 | 14.30m |
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登録長さ | 13.50m |
登録幅 | 4.34m |
登録深さ | 2.10m |
総トン数 | 18トン |
最大搭載人員 | 52名(旅客50名) |
航海速力 | 約20kt |
建造風景
今回、この船の建造風景を写真と共に以下の8工程に分けてご紹介したいと思います。
1.船体メス型製作
一般的にFRP製の新型新造船を建造する場合、最初の工程がこの船体メス型製作です。船体線図を原寸大で描き、そこからフレーム等の型取りをします。そのフレームを写真の様に組み立てメス型を製作していきます。船の大きさにもよりますが現図から型完成まで約1ヶ月から2ヶ月程掛かります。
2.吹付け・積層
吹付け工程:型表面にゲルコートを吹付けます。その時に吹付けした色がそのまま船体の仕上げ色となります。
積層工程:ゲルコートが硬化後、今度はその表面にガラス繊維(ガラスマット及びロービングクロス)を不飽和ポリエステル樹脂にて必要数張り重ねていきます。この工程は数日に分けて行われます。
3.船体(船殻)製作
積層した船体外板にキール材、縦通材、フレーム、隔壁、甲板ビーム、甲板等を取付、船体を造り上げていくと同時に、船体付きの主要な艤装品等も取付ていく工程です。
4.上部構造製作・搭載
船体同様に先ずメス型を製作し、ゲルコート吹付け→積層→部材取付後、型を反転し工場内へ移動して、船体甲板上に搭載。再度位置を確認し間違いがなければFRPにて固定する
5.船体艤装
主に舷外の艤装品の取付や客室内の造作等工程を指します。
6.機関艤装
主機関台やその他の機関関係の艤装品の据付台等の設置を当社にて施工し、その後の工事一式(設置、配管、調整等)を地元の仁科ヤンマー商会様へお願いしています。
7.移動(工場内→船台)
当社は工場と船台が離れており、新造船建造の時は必ずこの工程があります。今回初めて台車を使用して船を移動しました。それまでは昔ながらのコロで移動していました。
8.完成・引渡し